カナザキ歯科 院長ブログ「歯科道一直線」

日記

2018/11/02

インプラントへの思い

わたくしが歯科医になってはや28年になります。患者様をはじめ多くの先輩方のご指導をいただいたおかげで一人前の歯科医師となり、日々無事に診療をさせていただいております。これまで諸先生方の叱咤激励をいただきましたおかげで学会においてもインプラント専門医、歯周病専門医という2つの専門医の資格を持つことができました。そしてこの2つの技術と知識を身に付けたことにより、わたくしのインプラントの臨床は大きく成長できたと考えております。

わたくしのこれまでのインプラント臨床を振り返ると、3つの時期に分かれると考えております。第一期は、わたくしが大学院を修了してから本格的に臨床医としてデビューしたときです。そのころ夢中で、ある臨床家の背中を追いかけていました。当時、天才歯科医としてその名をとどろかせていた筒井昌秀先生です。少年野球児が長嶋や、イチローにあこがれるように、筒井先生のすべてをまねしたことを懐かしく思います。当時、筒井先生はブローネマルク先生直伝のインプラントを臨床に取り入れ素晴らしい治療をされていました。何度も教えを受けに北九州に通ったものです。そのころから始まったわたくしのインプラント歴はかれこれ20数年になるでしょうか。

第二期は大阪のJIADSという研修会に通い始めた時からです。歯周病治療を重視しながらのインプラント治療。海外の最新情報を直輸入した実に様々な技術と知識を学びました。歯周病認定医(専門医の前段階)、国際インプラント学会の認定医などもこの時期に取得しました。国内外の研修にもたくさん参加しました。休みの日に自宅にいたことはほとんどなかったと思います。3iインプラント、ノーベルバイオケア、ブローネマルク、リプレイス、スピーディグルービ、アクティブ、スプライン、スクリューベント、アンキュロス、ブレーンベース、プラトン、EL、EL-proなどあらゆるメーカーのインプラント、All-on-4やコンピューターシミュレーション、ガイデッドサージェリーなど最新の技術を臨床応用しました。プラトンジャパンの神蔵社長のご助力によりセミナーを全国で行うようにもなり、ジャーナルへの論文投稿やDVD出版など、活動が全国に広がった時期です。また九州歯科大学インプラント科に所属しインプラント専門医の資格を取得したのもこの時期です。

そして今私のインプラント臨床は第3期に入ったのではないかと考えております。これは大阪の伊藤雄策先生との出会いによってはじまりました。先生には何度もオペの直接指導に来ていただきました。そこで学んだものは妥協なき手術姿勢です。スウェーデン、エーテボリにてStig Hansson氏に影響を受け、懸案であったインプラント周囲炎のないインプラント臨床を現在追及しているところです。そして 今私が最も重要視するものはfor the patient「自分自身が受けたい治療の実践」です。自分自身が受けたい治療とは何でしょうか?自問自答すれば誰にでも見えてくるはずです。それはその人にとっての最良の治療以外にはありません。それがいつでも提供できるよう、現状に甘んじることなきよう、日々研鑽をつづけてまいりたいと思います。カナザキ歯科の患者様、ご指導くださった諸先輩の皆様、なにとぞ今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。