カナザキ歯科 院長ブログ「歯科道一直線」

日記

2019/11/01

ハワイ真珠湾紀行

今私は広島駅でこの原稿を書いています。駅前の通路にも原爆ドームの写真が飾られていて、崩れかかった赤茶けた建物が最終破壊兵器の凄まじさを物語っています。

日本は日清戦争、日露戦争と華々しい勝利を経験し、太平洋戦争前には特に陸軍は大きな自信を持っていたようです。「トラトラトラ」という暗号を合図に真珠湾奇襲攻撃が行われました。これによって太平洋戦争の火蓋が切られました。

今年の9月に私は臨床研修でハワイを訪れる機会を得ました。その際鹿児島で開業する友人と共に真珠湾にあるパールハーバー・ナショナルメモリアルを見学しました。奇襲攻撃を行った側である日本人としては余り気が進まない場所ではありましたが、歴史の現場を自分たちの目で見るために敢えて見学に行きました。入り口近くで記念館から出てきた老夫婦に帰りのバス乗り場の場所を尋ねましたが、目を合せることなく「I don't know.」と低い声のみ。入る前から、かなりのアウェイ感です。アリゾナ記念館は戦艦が浅い海底に沈んだそのままになっており、その上にかかった桟橋から海底のアリゾナの悲惨な残骸がよく見えるようになっています。1102人の乗組員がなくなったそうです。記念館の中には血染めのセーラ―服が展示されていました。日本のことも詳しく書かれており、山本五十六長官が真珠湾攻撃でアメリカに打撃を与え、すぐに戦争を終わらせようと考えていたこと、勝てないと分かっていたことなども書かれていました。原爆ドームと同じで相手を強く非難する展示はありませんでしたが、一通り見た後は「日本はひどいことしたんだな」という気持ちになる設計になっていました。日本人もアメリカ人も真珠湾と原爆ドームの両方を見た方がいいと思いました。日米の子供たちにこの二つの施設を見せて意見交換をさせる交流会をやってみたいと思っています。

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