インプラントの基礎知識

I.T.Iインプラント(あい・てぃー・あい・いんぷらんと)

チタン粗造表面インプラントを初めて開発したスイスのストローマン社が発売しているインプラントのこと。

アパタイト

人体の約4%を構成する無機物の、大部分を占めるのがアパタイトです。
アパタイトはリン酸カルシウムの一種で,歯や骨の主成分として知られるアパタイトを「ハイドロキシアパタイト」
(Hydroxyapatite)と言います。

インプラント矯正

矯正は、歯と歯が互いに引っ張り合う力を利用して、歯ならびを整えます。
矯正用につくられたインプラントを顎の骨に埋め込み、固定源として使用する事により、治療期間の短縮や外科手術(顎を切る等)が必要な患者様の治療も可能にする方法です。
骨と直接結合するインプラントを、矯正の固定源として利用することで、今までの矯正治療では難しかった歯の動きが可能となります。

インプラント体

インプラントの、天然歯でいう歯根にあたる部分。フィクスチャー。
現在主流なのは、生体と親和性の高いチタンで作られたもので、純チタン製のものや、チタンの周辺にハイドロキシアパタイト(歯や骨の成分)をコーティングしたタイプが存在します。
チタンに表面加工を施した人工のインプラント体を、顎骨内に埋め込んで骨と結合させます。

齲蝕(うしょく)

一般に虫歯として知られる歯の病気です。
口腔内のう蝕の菌が糖質から作った酸のせいで、歯が脱灰されることにより歯が欠損します。
歯周病と並ぶ、歯科の二大疾患の一つです。虫歯の進行具合によって、C1からC4まで分類されます。
う蝕になった歯をう歯(齲歯)といい、カリエスともいいます。
歯の萌出後数年は歯の石灰化度が低いため、う蝕になりやすい傾向があるため、未成年に多い疾患です。

エナメル質

歯の歯冠部の一番表面にあり、無色半透明。人間の体の中で最も硬い組織でできていて、水晶と同じくらいの硬さがあります。
通常目で見える歯の部分はエナメル質に覆われており、その内側に、象牙質、セメント質、歯髄があります。
エナメル質の大部分はリン酸カルシウムの結晶であるハイドロキシアパタイトで構成されています。

エムドゲイン

歯周組織再生誘導材料。
歯周病(歯槽膿漏)で失われた歯周組織の再生を促す材料です。

顎(がく)

あごのこと。
上の顎のことを上顎(じょうがく)、下の顎のことを下顎(かがく)といいます。

仮歯(かりば)

治療の途中で仮に付けておく歯のことです。テンポラリークラウン(略してテック)、暫間歯(ざんかんし)とも言います。

感染根管処置(かんせんこんかんちりょう)

感染根管処置とは、抜髄しなければならないような大きな虫歯を放置したり、抜髄処置を最後まで治療をせず放置したりすると起こる炎症(化膿性根尖性歯周組織炎)を治療する処置です。
根管内の汚染物質をリーマーという道具を用いて除去し、薬剤により根の先の病巣を治癒させるといった方法です。
感染根管処置は、感染源がなくなり、尚且つ根の先の炎症が治まらないと根の中を詰められないので時間がかかります。

技工物(ぎこうぶつ)

義歯、歯を補うインレー、クラウン等のかぶせもの、マウスガード等の補綴物(ほてつぶつ)のこと。
歯科医師の指示のもとに技工物を作製・加工する専門職が歯科技工士で、厚生労働大臣の認定する国家資格になっています。

義歯(ぎし)

歯が抜けたり欠けたりしたあとを補う、入れ歯のこと。
残存歯がある場合の局部義歯(きょくぶぎし。部分入れ歯)と、全ての歯がない場合の、総義歯があります。

局所麻酔 (きょくしょますい)

手術時などに、意識を失わせることなく、知覚神経末梢に作用して刺激伝導を遮断し、身体の一部の知覚を消失、または鈍麻させること。局部麻酔。

クラスプ

入れ歯の留め金

欠損 (けっそん)

歯がない事。 欠損部位→歯がない部分・部位。

口腔 (こうくう)

口からのどまでの空洞部分。口の中。

骨移植 (こついしょく)

骨が薄い場合、他の部位から採取した骨片を移植し、骨のボリュームを出す。採取する部位は、下顎枝部・上顎結節部・オトガイ部・腸骨、上下顎臼後部、頸骨等から採取ます。インプラントにおいては、埋入部分の骨を増大させる方法として行われます。

骨造成(こつぞうせい)

骨を増やすこと。従来から行われている骨造成の方法としては、骨の自家骨移植、GBR法などがあります。

クラウン

歯の欠損が大きい場合に用いられる被せ物。クラウンは大きく分けると、歯冠部全体を被覆する全部被覆冠の他、一部を被覆する一部被覆冠、根管にポストを入れることで土台とし、歯冠全体を作る歯冠継続歯に分けられ、それぞれの中に多くの種類のクラウンがあり、歯の種類や欠損の部位、患者の希望などにより使い分けられます。

根管(こんかん)

歯根の中軸にある管状の部分。象牙(ぞうげ)質に囲まれていて歯髄(しずい)が詰まっています。

根管治療(こんかんちりょう)

根管治療とは、歯根の中にある神経の治療のことで、根管外への感染源を除去する治療です。
根管は本来無菌状態にあるのですが、虫歯の放置等により、根管内が細菌に感染し、歯髄が死んでしまう場合があります。死んでしまった歯髄は取り去るために、歯髄腔を清掃し、防腐的材料を根尖孔まで充填(根管充填:こんかんじゅうてん)します。
根管治療には、抜髄を治療する抜髄処置と、根の先を治療する感染根管処置があります。

再生療法(さいせいりょうほう)

細胞や組織を新たに再生させ、これを失われた体の一部の治療に応用する医療。
ティッシュー・エンジニアリングとも称される。
歯科においては、歯周組織を再生させる方法として、GTR法やエムドゲインを用いた治療、骨の再生にGBR法などが行われている。

サイナス

上顎の上、鼻の横に存在する空洞。上顎洞。副鼻腔(ふくびくう)の1つ。
副鼻腔は、上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形洞の4つで構成されています。
副鼻腔に膿がたまって起きる慢性的な炎症が、蓄膿症(ちくのうしょう)です。

歯根(しこん)

歯の根にあたる部分。歯肉や歯槽骨(歯を支える骨)の中に入っているため、通常は目で見えません。歯根の表面からセメント質、象牙質、根管という構造になっている。歯根と歯槽骨の間には、歯根膜という繊維状の組織がありクッションになっています。

歯根膜(しこんまく)

歯根と歯槽骨の間にある組織。弾力性があり、噛んだときの衝撃や圧力を緩和する働きがあります。

歯肉(しにく)

歯ぐきのこと。

歯肉溝(しにくこう)

歯肉溝(しにくこう)とは、歯の表面のエナメル質と、歯肉の境目にある溝のことです。歯周ポケットとも呼ばれます。

歯肉炎

歯肉(歯茎)が炎症を起こし、赤く腫れた状態。歯みがき中に出血したりします。この時期であれば歯の汚れをとって毎日キレイにブラッシングすれば完全に良くなります。

歯周炎

歯周組織の炎症。重度に進行すると、細菌により骨が溶け始め、歯を覆っていた歯肉が下がり、次第に歯がぐらぐらになり、歯を失う原因になります。

歯周組織

歯の周囲の組織の総称です。
歯肉(歯ぐき)、セメント質、歯根膜(歯と歯槽骨を結ぶ線維)、歯槽骨(顎の骨)で構成されています。

歯周病

歯周病とは、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが破壊される病気です。
歯の周囲に付着したプラーク(歯垢)が歯と歯肉の隙間に入り込み、プラーク中のバクテリアの出す毒素が歯周組織に炎症を起こします。歯周病を患うと、特有の口臭が発生します。
歯周病の初期では、 歯肉が赤く腫れ、ブラッシング時などに出血することがありますが、痛みはありません。さらに進行すると、歯肉の中にある歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて、膿が出たり歯がグラグラしてきます。
ここまで進行すると、痛みや腫れを伴います。歯周病が重度になると、最後には歯が抜けてしまいます。
歯周病は歯を失う原因となるだけでなく、心臓病や糖尿病などの全身疾患にも悪影響を与えることが解明されてきています。

歯槽膿漏

歯周病のこと。

歯髄(しずい)

歯の中心部、根管の中には歯髄があります。一般的に神経と言われることもある部分です。歯髄には神経だけではなく、血管やリンパ管などがあり、歯に栄養を送る役割をになっています。

歯槽骨(しそうこつ)

歯根の周囲に存在する歯を支える骨のことで、歯槽骨の「歯槽」とは、歯を入れ置く槽という意味を持ちます。顎骨の骨体部と歯牙を結ぶ部分であり、解剖学的には、独立した骨体ではありません。歯槽突起とも呼ばれます。

シュナイダー膜

上顎洞と、歯槽骨(上顎)の間にある粘膜のこと。

上顎洞(じょうがくどう)

上顎の上、鼻の横に存在する空洞。上顎洞。副鼻腔(ふくびくう)の1つ。サイナスとも呼ばれます。
副鼻腔は、上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形洞の4つで構成されています。
副鼻腔に膿がたまって起きる慢性的な炎症が、蓄膿症(ちくのうしょう)です。

切開 (せっかい)

表面を覆っているものを切り開くこと。

セメント質(せめんとしつ)

歯根を覆う硬い組織。歯の一部を形成しています。

象牙質(ぞうげしつ)

エナメル質、セメント質の内側にあり、歯冠から歯根まで歯の大部分を占めていてる組織です。
軟らかいため、虫歯が象牙質にまで到達すると、進行が早いです。

ソケット・リフト

特殊な器具(オステオトーム)を用いて、上顎洞の底部を押し上げインプラントを埋入するスペースを確保する技術のことです。

歯冠(しかん)

歯の一部。実際に歯肉から出て、目で見える部分。

技工物(ぎこうぶつ)

技工物とは、義歯、歯を補うインレー、クラウン等のかぶせもの、マウスガード等の補綴物(ほてつぶつ)のこと。歯科医師の指示のもとに技工物を作製・加工する専門職が歯科技工士で、厚生労働大臣の認定する国家資格になっています。

1回法

1回法とは、インプラントにかかる外科処置(オペ)の回数が、1回で済むオペ法のことです。
インプラント体の埋入オペの後、ヒーリングアバットメント(インプラント頭部の保護、食片圧入の防止、歯肉形成の目的で一時的に使用されるパーツ)を設置します。2回法のように、インプラント体の頭部が歯肉で覆われるわけではないため、歯肉切開のための2回目の外科処置(オペ)が必要ありません。

カバースクリュー

インプラント頭部を保護するフタ。

人工歯根(じんこうしこん)

人工歯根とは、欠損した歯の根元に埋め込むために、セラミックス・金属などで作られた歯根のことをいいます。 歯科インプラントは、人工歯根療法とも呼ばれます。

歯垢(しこう)

歯垢とは、口の中の細菌の塊である歯の垢(アカ)をいいます。歯垢は歯みがきをすることによってある程度は取ることができます。

サイナスリフト(さいなすりふと)

サイナスリフトとは、上顎洞底挙上術のことをいい、上顎と上顎洞の間に、インプラントを入れるための骨の厚みが不足している場合に、移植骨や骨補填材によって上顎洞の底部を押し上げインプラント埋入手術に必要な骨の厚みを得る治療方法です。上顎洞側壁骨の相当部の歯肉を切開し、骨窓を開け、骨窓を下から内側に押し上げて上顎洞底部の粘膜を拳上します。次に拳上して出来たスペースに移植材を入れます。移植材を入れた後、外側を粘膜で被い歯肉を縫合して数ヶ月間放置し、造骨を待ちます。サイナスリフトには、上記のように移植骨の生着を待って二次的にフィクスチャー(インプラント体)埋入を行う方法と、骨移植と同時にフィクスチャー(インプラント体)を埋入する方法とがあります。

口腔(こうくう)

口腔とは、口からのどまでの空洞部分をいいます。

クラウン(くらうん)

クラウンとは、歯の欠損が大きい場合に用いられる被せ物のことをいいます。クラウンは大きく分けると、歯冠部全体を覆う全部被覆冠のほか、一部を覆う一部被覆冠、根管にポストを入れることで土台とし歯冠全体を作る歯冠継続歯に分けられ、それぞれの中に多くの種類のクラウンがあり、歯の種類や材質、欠損の部位、患者さんの希望などにより使い分けられます。

顎堤(がくてい)

顎堤とは、義歯をのせる部分であごの骨のことを言います。歯槽堤(しそうてい)とも言います。
歯が全て無くなった顎のことを、無歯顎(むしがく)、歯のある顎を、有歯顎(ゆうしがく)といいます。残っている歯のことを、残存歯(ざんそんし)といいます。

顎(がく)

顎とは、あごのこと。上の顎のことを上顎(じょうがく)、下の顎のことを下顎(かがく)といいます。

アクセスホール

上部構造物(インプラントの歯の部分)に空いている穴。上部構造物とアバットメントを、スクリューで止める為のもの。

アバットメント

インプラント本体に連結し、歯の部分(上部構造)を固定する為の支台の部分。

インプラント

欠損あるいは、外傷を受けた部位に埋め込むために、人工的に作製した器官・組織の代替物。または、それを埋め込むこと。人工関節・義歯・腱(けん)・血管など。
歯科領域では、様々な要因で天然歯がなくなった所(顎の骨)に、人工のインプラントを埋め込む事。

インプラント手術

顎骨に埋入窩を形成し、インプラントを埋入する手術や、インプラントとアバットメントを連結する手術。

インプラント体

インプラントにて使用する部品で、直接骨と結合する根っこになる部分。材料の代表は純チタン。

オッセオインテグレーション

生活を営む骨組織とインプラントが、光学顕微鏡レベルで直接密着し、持続した結合状態を呈し、インプラントに加わった力が、骨に直接伝達される状態。