スタッフブログ

日々の研修だより

2020/02/24

医療安全講習会

今回の医療安全講習会ではBLSについて学んだ。BLSとはBasic Life Supportの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことである。BLSに対し、病院等医療機関において医師や救急救命士が行う救命処置をALS(Advanced Life Support)という。

 BLSの手順としては、異常事態が発生した時は、まず大声で叫んで助けを呼ぶなど、周囲の人に119番通報とAEDの手配を頼む。次に患者の意識レベルと心肺機能の評価を行う。ここで正常な呼吸が確認できたら回復体位(横向き)にして救急車を待つが、呼吸をしていない、もしくは正常な呼吸をしていない(死線期呼吸など)の場合はCPR(心肺蘇生法)を開始する。CPRは胸骨圧迫から行う。胸の真ん中に手の付け根を置き、肘を真っ直ぐ伸ばし上半身の動きで、少なくとも5~6cm程度沈むよう、1分間に100回のテンポで圧迫を繰り返す。人工呼吸は鼻を押さえ軽く胸が上がる程度に息を吹き込む。人工呼吸の間隔は、胸骨圧迫30回毎に2回を目安に行うのが良いが、人工呼吸ができない状況においては胸骨圧迫のみ行う。次にAEDが到着したらCPRは出来る限り続けたまま、AEDを装着していく。AEDが装着されると自動で心電図解析、評価をしてショックが必要かどうか判断されるので、ショックが必要な場合は患者から全員が離れていることを確認後、ショックを行い、その後直ちに胸骨圧迫からCPRを再開する。ショックが不必要な場合も同じく直ちに胸骨圧迫からCPRを行う。胸骨圧迫の中断は①人工呼吸時②AEDでのECG(心電図)判断でROSC(心肺再開)評価時、④明らかな体動等、心肺再開時の4点のみで、それ以外の場合は継続する必要がある。

 心肺停止時に心臓マッサージと電気ショック(除細動)が1分遅れるごとに助かる確率は7~10%ずつ下がっていく。心肺停止から1分以内の心臓マッサージとAEDが感知した電気ショックが行なわれた場合の社会復帰率は非常に高く、そういう状況になったときに、迅速に動けるように知識を身に付ける必要がある。

研修医:餅原 芳文