私は、咀嚼についてのセミナーを受講しました。
咀嚼は"食物を咬断、粉砕し唾液をと混合することで嚥下しやすい性状の食塊を形成すること"である。嚥下の流れの中で特に準備期と口腔期に関連しています。なので咀嚼不全は、その2つに大きく影響してきます。残存歯数と咀嚼能率は正の相関があり、上下顎間の咬合支持が減少すると咀嚼能率が低下するという論文もでている。80歳以上の一人平均現在歯数は15.3歯(H28度歯科疾患実態調査)であり、加齢によって咀嚼機能は低下していく。加齢について少し見ていこうと思う。加齢に伴い骨格筋が委縮し筋力が弱くなるそして関節部の形態の変化による開閉口連度や咀嚼時の下顎連動に変化が生じる。また、食塊形成に必要な唾液だが、加齢につれ腺房細胞の消失、脂肪や組合ソシキへの置換えがおこることによる唾液分泌の低下が起こる。このように加齢につれて咀嚼能率の低下はおこってしまうのである。今から高齢者が増加していくにつれて大切な問題なので、摂食嚥下の本などでしっかり学習していきたいと思った。次に、検査方法についてです。分割能力の評価には、①粒子から溶出する成分(グルコース)を定量する方法。②粒子の大きさを視覚的に判断する方法。➂光学的に記録、画像処理して粒度分布を分析する方法があり混合能力の評価には、①色変わりガムを用いる方法、②2色のガムをかんで、色の混ざりを画像解析する方法。➂2色の米飯を咀嚼させ、VE食塊形成度を評価する方法がある。最後に、義歯の役割について学びました。義歯は普段使ってもらうのに加えて、リハビリテーション装置としての役割があることを知った。食事中に使えない義歯であっても、口腔周囲筋の発用予防や意識覚醒を促したり、訓練時の顎位の保持に用いることができるということを学んだので、普段の診療や訪問に少しでも役立てていきたいと思いました。
研修医:岸田 義弘