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日々の研修だより

2021/06/20

「摂食・嚥下機能に関連する解剖と機能の発達」を受講して

今回の山本先生による摂食・嚥下の講義では摂食・嚥下機能に関連する解剖と機能の発達に対して学んだ。

まず、解剖についてだが私たちの身体の構造上空気と食べ物は交差している。そのため、機能の衰えとともに誤嚥が生じやすくなってくる。嚥下時に働く筋肉は舌、咽頭筋、舌骨上筋群がある。舌筋は食塊を動かして唾液と混ぜ、食塊を歯列上に保持し嚥下時に食塊をまとめて咽頭に送り込む。舌筋は内舌筋は舌の形を変化させ、外舌筋は舌全体を前後左右に動かす。咽頭の筋は輪状に取り巻いて咽頭を収縮させることで食塊を胃に運ぶものと食道入口部を開大させるものがある。舌骨上筋群は嚥下時は舌骨を持ち上げて、開口時は引き下げる役割を持つ。

経口摂取の発達は口と手の動きの発達と共に発達していく。口の動きの発達時期には①経口摂取準備期、②嚥下機能獲得期、③捕食機能獲得期、⑤すりつぶし期があり、手の動きの発達として①自食準備期、②手づかみ食べ機能獲得期、③食具・食器食べ機能獲得期がある。これらの機能の発達時期は重なり合う部分があり徐々に昨日が形成されていく。

最後に乳児について学びました。乳児ではその時期にしか見られない形態と嚥下の仕方がある。口腔の形態の特徴として哺乳のための吸啜窩や顎間空隙と呼ばれる隙間があったりよく異常なものと勘違いされるビシャの脂肪床といったものがある。哺乳機の嚥下として乳首を咥えたまま上下の歯槽堤が直接噛み合っていない状態で鼻呼吸を行いながら乳汁を食道に送り込む。その時の動きとして圧出、吸引、嚥下の動きを行う。圧出は舌が前方から後方へ波状運動し乳首をしごくことで乳汁をだし、吸引は舌と唇が乳首に密着し舌の波状運動と下顎が下がることで陰圧が形成され口腔内に乳汁が引き込まれる。最後に嚥下反射が誘発され嚥下が行われるという流れである。成人との違いとして鼻呼吸を行いながら嚥下するというのは驚きでした。これは喉頭蓋の位置が成人と比べ高い位置にあるため可能だというわけです。

今回の摂食・嚥下の内容というのは近年重要視される内容です。国家試験でも最近になって出題傾向になってきたため知識が浅い人が多いと思われます。だからこそこうした場で学べる機会を大事にし今後もしっかり理解していたいと思います

研修医:池田 大樹